上映会:与論の十五夜踊り

- はじめに -

鹿児島県の最南端、与論島。コバルトブルーのサンゴ礁に囲まれた島である。与論島には鹿児島県の無形民俗文化財に指定されている十五夜踊りがある。十五夜踊りは旧暦八月十五日に最も盛大に行われるもので、他に四と十月の十五日にも行われている。その歴史は詳びらかではないが永禄四年に創られたという説もある。この舞踊詞は、一番組と二番組に分けられていて、一番組は室町時代の狂言などから取材したものといわれ、二番組は、奄美や沖縄の舞踊と与論島にあった踊りを組合せ構成したものといわれている。このフィルムは八月十五日の十五夜踊りを取り上げたもので、永く記録にとどめる目的で作られた。

- あらすじ -

与論島は、隆起サンゴ礁の島である。一番高いところは城(グスク)といい、標高50m.ほどである。ここには、常主神社と呼ぶ島をおさめた里主をまつった神社があり、十五夜踊りは、この城後で行われる。

旧暦八月二三日になると、町長(昔は里主)の要請で、二番組の頭の家で旗をあげる。十五夜踊りの準備を始めることであり、島人にまつりがあることを知らせることにもなる。準備は、頭(主取、ヌシドゥイ)の家で太鼓(チヂン)を修理したりする。 旧暦八月十五日、十五夜踊りの当日、二番組の人びとは主取の家に集まり、身をきよめ、チヂンにお神主を捧げて踊りの無事と豊作祈願をする。一番組は、準備を整えて城で待っている。二番組が城に着くと、常主神社で祭典が行われる。

いよいよ十五夜踊りが始まる。最初は、アーミタボーレ、雨を下さいという踊りで、一番組と二番組の合同で行われる。二番組の人びとは、サージと呼ぶ手拭いを頭にまき、覆面をして踊る。踊りの列の先頭には、ヒゲをはやした旗持のの役の人がサーっと掛け声をかけ進む。アーミタホーレは、天に雨を乞う踊りで、「雨を下さい、世の中が幸せになるのです」とうたう。隆起サンゴ礁の島は雨が留まらないから、天水は島の死活問題であり、十五夜踊りの最初にアーミタホーレがあるのも島人の切なる願いの表れである。

次からは二番組の踊りと、一番組の狂言(キョンゲン)が交互に行われる。一番組の狂言の面白さ、楽しさと、二番組の優雅な手踊りがうまく構成されていて、美しい満月のもとに、人びとは、いつまでも立ち去ることはない。

子どもたちも家々をまわって、十五夜ダンゴをとってまわる。南島の夜は、清らかに澄み、城の歌声が島中にしみわたる。
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