研修報告

なぜ藻が注目されるようになったのか?


2003年10月25日のEU議会で、2020年までに使用航空機燃料の10%を非化石燃料で代替することが義務づけされました。アメリカもこれに追随し、軍用機の燃料として商流を作る動きなどが形成されていて、これがベンチャー育成を加速させています。日本の航空業界で使用している燃料は1,200万kL/年といわれていて、そのうち10%の120万kL年が具体的な需要となる可能性があります。航空機燃料は当面の間は液体燃料(ジェット燃料)から電力や気体燃料に切り替わる可能性は低いので、この需要予測は堅いと思います。写真は米国サファイアエナジー社の藻類の圃場です。当社は2008年以降、2.4億ドル(約230億円)の資金調達をして100エーカー(40ha)規模の培養池を稼働させ事業を立ち上げつつあります。要素技術はそろっているのだから、日本でもアメリカのような活発な事業の創造を果たしたいものです。9月は微細藻類に関する世界のベンチャーの動向を調査し、今後の世界のメガトレンドを明確にしました。

農業と工業を結びつけるグリーン産業の創出


日本国内の耕作放棄地は40万ヘクタールを超えています。このうち10万ヘクタールを微細藻類の培養の用地に充てるとすると、ここから得られるバイオ燃料は年間5,500万kLを超えると試算されます。これは我が国の原油輸入量の約20%に相当します。経済規模で加工・流通を含めると約10兆円規模となり、約40万人の雇用創出が期待できます。また、日本の特殊事情として原子力発電所の問題があります。超長期的に原発ゼロというシナリオも十分あり得ると思います。理想的には再生エネルギー主体に移行するにしても、移行期間の数十年は火力発電に頼らざるを得ません。液体燃料の自給率向上のためにも微細藻類を軸にした新しい産業の創造が必要ではないでしょうか?

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