研修報告 2013年12月

今回はグリーンバイオ分野の話題です。この分野は端的に言えば、農業や漁業においての藻類の利用ということになります。

ある研究者とお話ししているときに塩分に強い藻類の話になりました。ドゥナリエラ(Dunaliella salina)という藻類の話でした(写真1:テキサス大学サイトより引用http://www.sbs.utexas.edu/utex/algaeDetail.aspx?algaeID=2727)。世界中で研究は進んでおりさほど目新しい種類ではないようです。ただし、「耐塩性」を活かす工夫についてアイデアが面白かったです。

一般的に藻は塩分濃度が高いと浸透圧の関係で生育できません。ところがこの藻は3%以上という非常に高い塩分濃度でも繁殖するのだそうです。どんどん塩分濃度を高くしていくとこの藻が優占種となります。比較的簡単な操作で大量培養できるのだそうです。

そして、この藻は魚や貝の良好な飼料となるらしいのです。サウジアラビアにNational Prawn Companyという養殖業の大企業があるのですが、ここでは飼料のための藻類の大量培養を行っています(写真2:National Prawn Companyサイトより引用)。豊富で清澄な紅海の海水と強い日光を非常にうまく利用しているようです。National Prawn Company 社のプレスリリースによれば、グリーンバイオとレッドバイオ生産のための藻類培養を拡張し2014年から稼働させ2,800人もの雇用を創出する予定とのこと。

日本のある研究者は日本近海の深層水に注目しながら、高級なエビや生ガキの陸上養殖を模索しています。海底には「湧昇」と呼ばれる現象で自然に深層水が湧き上がってくる所があるらしいのです。これを利用して清潔で稚魚・稚貝からの履歴のしっかりした養殖のシステムを構築しようとしています。食材偽装やノロウィルスの発生が問題となっている昨今、社会的意義の高い研究開発だと思います。

中東をはじめ養殖業は世界の成長産業です。特に付加価値の高い養殖業のシステムが藻類を利用して行われています。

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